介護の分かれ道

介護施設の費用の仕組み。食費と居住費が軽くなる条件 3 つと月の上限

公開 ・ 介護の分かれ道 編集部

「施設を探すかどうか」の相談 70 件で、費用の話は 3 番目
  1. 1施設の種類と、どこを選ぶか
  2. 2家族やきょうだいとの分担
  3. 3費用やお金のことこの記事
  4. 4介護する側の疲れと、後ろめたさ
  5. 5家での介護を続けられるか

件数は補正後の値。並びは順位だけで、差の大きさは示していません。相談に出てくる金額は、月額・入居金・年金のどれの話かを語だけで分けられないので、当サイトは金額を数えていません。 この記事の金額はすべて厚生労働省の資料によります。数え方はこのサイトの数え方。

この記事は、施設を考え始めた家族が「年金で足りるか」を確かめるためのものです。先に結論を書きます。特養や老健の費用は 4 つに分かれていて、そのうち食費・居住費と、介護サービス費の 1 か月の合計には、所得に応じた上限があります。 条件を決めるのは、世帯の住民税と預貯金です。金額は厚生労働省の通知の値で、2026 年 8 月の見直しの後の内容です。出典は記事の末尾に置きました。

施設探しの相談 70 件で、費用の話は 3 番目

当サイトの集計で、施設を探すかどうかの相談は 70 件でした。いちばん多いのは「施設の種類と、どこを選ぶか」。費用やお金のことは 3 番目です。 種類と、きょうだいとの分担の次に、お金の心配が来ています。

ただし、金額は数えていません。相談に出てくる額が、月額か入居金か年金か、語だけでは分けられないからです。この記事の金額は、すべて厚生労働省の資料から取りました。

施設の費用は 4 つに分かれる

特養や老健など介護保険施設の費用は、次の 4 つです。厚生労働省の解説は、介護サービス費の自己負担が「1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)」で、そのほかに「居住費、食費、日常生活費の負担も必要」と書いています。

部分中身軽くなる仕組み
介護サービス費介護にかかった費用の 1〜3 割高額介護サービス費(1 か月の上限)
居住費部屋代と光熱水費。部屋の種類で違う負担限度額認定
食費1 日あたりで決まる負担限度額認定
日常生活費理美容代など。施設ごとに決めるなし

居住費と食費は、所得が低い人ほど大きく軽くなります。介護サービス費のほうは、1 か月の合計に上限がある形です。日常生活費だけは別です。軽減がありません。

食費と居住費が軽くなる条件 3 項目

負担限度額認定を受けられるかは、次の 3 つで決まります。1 つずつ確かめます。

1. 世帯全員が住民税非課税か

対象は、世帯の全員が市町村民税非課税の人と、生活保護を受けている人です。世帯を分けている配偶者も含めて見ます。世帯に 1 人でも課税されている人がいれば、軽減の対象になりません。

2. 預貯金が決められた額以下か

段階ごとに預貯金の上限があります。単身なら第 2 段階で 650 万円、第 3 段階①で 550 万円、第 3 段階②で 500 万円まで。夫婦ならそれぞれ 1,650 万円・1,550 万円・1,500 万円までです。 所得だけでなく、預貯金も見られます。

3. 使う先が特養・老健・介護医療院か、ショートステイか

負担限度額の表が示されているのは、特養・老健・介護医療院と、ショートステイです。有料老人ホーム・サ高住・グループホームは表にありません。 申請先はお住まいの市区町村で、認定を受けて初めて軽減が使えます。

2026 年 8 月からの負担限度額

段階は、年金の収入と、そのほかの所得の合計で分かれます。第 2 段階は 82.65 万円以下、第 3 段階①は 82.65 万円を超えて 120 万円以下、第 3 段階②は 120 万円を超える人です。非課税の年金も含めて数えます。 特養の多床室を使うときの 1 日の上限は、次のとおりです。

段階食費(1 日)居住費・特養の多床室(1 日)
基準の額(軽減なし)1,545 円915 円
第 1 段階300 円0 円
第 2 段階390 円430 円
第 3 段階①680 円430 円
第 3 段階②1,420 円530 円

居住費は部屋の種類で違い、個室ほど高くなります。ユニット型個室の基準の額は 1 日 2,066 円です。ショートステイの食費は、段階によって施設とは別の額になります。 2026 年 8 月から、第 3 段階の食費が 1 日 30〜60 円、一部の居住費が 100 円上がりました。

1 か月の自己負担の上限。高額介護サービス費の 5 段階

介護サービス費の自己負担には、1 か月の上限があります。段階は 5 つです。世帯の合計が上限を超えると、超えた分が介護保険から支給されます。厚生労働省の資料の上限額は次のとおりです。

区分1 か月の上限
課税所得 約 690 万円以上世帯 140,100 円
課税所得 約 380 万円以上 690 万円未満世帯 93,000 円
住民税が課税される世帯(約 380 万円未満)世帯 44,400 円
世帯全員が住民税非課税世帯 24,600 円
生活保護を受けている人など個人 15,000 円

世帯非課税のうち、年金の収入とそのほかの所得の合計が 82.65 万円以下の人は、個人の上限が 15,000 円です。この線は 2026 年 8 月に 80.9 万円から見直されました。上限を超えた分は、介護保険から支給されます。受け取りの手続きは市区町村で確かめてください。

有料老人ホームとサ高住は別の仕組み

ここは仕組みが違います。有料老人ホームとサ高住の家賃・食費・管理費は、ホームとの契約で決まります。負担限度額認定の表にはありません。高額介護サービス費は、介護保険の介護サービスの自己負担にかかる上限です。介護付き有料老人ホームの介護は、介護保険の「特定施設入居者生活介護」というサービスにあたります。 入居一時金がある場合は、入居から 3 か月以内の退居なら実費を除いて全額が戻る、と法律で決まっています。

当サイトの集計で、有料老人ホーム・サ高住の相談は 39 件。費用やお金のことは上位 4 つに入っています。並びは有料老人ホーム・サ高住の話題に置きました。

今は施設に移らない人へ。ケアマネ・包括の相談 211 件

上限は家でも同じです。家での介護を続けるときも、介護サービス費の 1 か月の上限は同じように使えます。費用の相談をどこにすればよいか分からないときは、担当のケアマネジャーか地域包括支援センターが入り口です。 当サイトの集計で、ケアマネと地域包括支援センターの相談は 211 件。いちばん多いのは「ケアマネや施設とのやりとり」でした。 施設の種類の違いは特養・老健・有料老人ホーム・サ高住の違いに書きました。

よくある質問

年金だけで特養に入れますか
人によります。当サイトでは言い切れません。世帯全員が住民税非課税で預貯金が決められた額以下なら、負担限度額認定で食費と居住費が軽くなります。たとえば第 2 段階の人が特養の多床室を使うと、食費は 1 日 390 円、居住費は 430 円が上限です(2026 年 8 月から)。これに介護サービス費の 1 割と日常生活費が加わります。自分の段階は市区町村の窓口で確かめてください。
負担限度額認定はどこに申請しますか
お住まいの市区町村です。認定を受けないと軽減は使えません。預貯金の額も条件に入ります。必要な書類は市区町村の案内で確かめてください。
有料老人ホームでも軽減は使えますか
負担限度額(食費・居住費の軽減)の表が厚生労働省の資料で示されているのは、特養・老健・介護医療院と、ショートステイです。有料老人ホームは表にありません。介護付き有料老人ホームの介護は介護保険のサービス(特定施設入居者生活介護)なので、その自己負担は高額介護サービス費の上限の考え方で見ます。家賃や食費はホームとの契約で決まります。
2026 年 8 月に何が変わりましたか
負担限度額の第 3 段階の人の食費と、一部の居住費が上がりました。食費の基準費用額は 1 日 1,445 円から 1,545 円になっています。あわせて、第 2 段階と第 3 段階を分ける所得の線が 80.9 万円から 82.65 万円に見直されました。高額介護サービス費でも、同じ線が 82.65 万円になっています。

出典・確認日