介護の分かれ道

特養・老健・有料老人ホーム・サ高住の違い。4 つの問いで見る施設が絞れる

公開 ・ 介護の分かれ道 編集部

施設を考える家族の相談。「施設を探すかどうか」でいちばん多いのは「施設の種類と、どこを選ぶか」
  • 特養90 件
  • 施設を探すかどうか70 件
  • 老健60 件
  • 有料老人ホーム・サ高住39 件

「施設を探すかどうか」で多く聞かれている順

  1. 1施設の種類と、どこを選ぶかいちばん多い
  2. 2家族やきょうだいとの分担
  3. 3費用やお金のこと
  4. 4介護する側の疲れと、後ろめたさ
  5. 5家での介護を続けられるか

件数は補正後(無作為に 30 件を抜いて判定した当たりの割合で直した値)。1 つの相談が複数の話題に入ることがあるので、足しても相談の数にはなりません。 並びは順位だけで、差の大きさは示していません。グループホームは件数が公開の下限に届かないので載せていません。 数え方はこのサイトの数え方。

この記事は、親の介護を家で続けてきて、施設を探すかどうかを考え始めた家族に向けたものです。先に結論を書きます。施設の種類は、要介護度と認知症の診断で、まず候補が絞れます。あとは 2 つ。家に戻ることを目指すか、費用の軽減を使うかです。 数字は、当サイトが 188 日分の家族の介護相談を数えたものと、厚生労働省の資料。2026 年 9 月時点の内容で、出典は記事の末尾に置きました。

施設探しの相談 70 件で、いちばん多いのは種類の選び方

当サイトの集計で、施設を探すかどうかの相談は 70 件でした。その中でいちばん多いのは「施設の種類と、どこを選ぶか」、2 番目は「家族やきょうだいとの分担」です。 特養の相談 90 件と老健の相談 60 件でも、いちばん上は同じ「施設の種類と、どこを選ぶか」でした。施設を考える家族が最初に止まるのは、どれを選ぶか以前に、種類の違いが分からないところです。

特養ではその次に「使える条件と、要介護度のこと」が来ます。種類ごとに、使える人の条件が違うからです。下の 4 つの問いは、その条件の順に並べました。

見る施設を絞る問い 4 項目

答えを書き出しておくと、ケアマネジャーや施設に聞くときにも使えます。数え方と、この方法で分かっていないことはこのサイトの数え方に書きました。

1. 要介護度はいくつか

特養と老健は、要支援 1・2 の人は使えません。特養はさらに、2015 年 4 月から新しく入所できるのが原則要介護 3 以上になりました。 要介護 1・2 の人は、家で暮らすのが難しいやむを得ない事情があるときだけの特例です。厚生労働省の通知は、認知症の症状で日常生活に支障が頻繁に出ている、家族の支援が期待できず地域のサービスも足りない、などの事情を挙げています。要介護 1・2 なら、特養は「特例に当たるか」を先に確かめる施設です。

2. 認知症の診断があるか

グループホームは、認知症の人を対象にした施設です。1 つの住まいに 5〜9 人。介護スタッフと一緒に暮らす形で、要支援 1 の人は使えません。 地域密着型のサービスなので、使えるのは原則として施設のある市区町村に住む人です。住所の扱いは市区町村に確かめてください。診断がまだなら、グループホームは候補に入りません。

3. 家に戻ることを目指すか

老健は、病院を退院した人などが家での生活に戻れるよう、リハビリを中心に行う施設です。厚生労働省の解説は「在宅復帰を目指している方の入所を受け入れ」と書いています。戻ることを目指すなら老健、住み続ける場所を探すなら特養や有料老人ホーム、と目的で分かれます。

4. 食費と居住費の軽減を使いたいか

所得や預貯金が一定以下の人は、負担限度額認定を受けると食費と居住費が軽くなります。厚生労働省の解説で負担限度額が示されているのは、特養・老健・介護医療院と、ショートステイだけ。 有料老人ホームとサ高住は表にありません。年金の範囲で考えたいなら、この制度が使える施設かどうかで候補が変わります。

答えで、見る施設が変わる

答え先に見る施設
要介護 3 以上で、住み続ける場所を探す特養(所得によっては食費・居住費の軽減も使える)。有料老人ホームも候補
家に戻ることを目指す老健。退所のあとの行き先も先に考えておく
認知症の診断があり、少人数で暮らしたいグループホーム(住んでいる市区町村の施設)
要介護 1・2 で、特例に当たる事情がある特養の特例入所を市区町村か施設に確かめる。並行して有料老人ホーム・サ高住
要支援、または要介護 1・2 で特例に当たらない特養・老健はまだ使えない。有料老人ホーム・サ高住は候補になる。家でのサービスを見直す道もある(下の節)

5 種類の施設の違い

使える人目的食費・居住費の軽減
特養原則要介護 3 以上(1・2 は特例)常に介護が必要な人が暮らす表にある
老健要介護 1 以上家に戻るためのリハビリ表にある
グループホーム認知症の人。要支援 2 以上少人数で共同生活表にない
介護付き有料老人ホームホームごとに決める住まいと介護を一緒に受ける表にない
サ高住ホームごとに決める安否確認と生活相談のある住宅表にない

介護付き有料老人ホームは、指定を受けたホームが食事や入浴などの支援まで行う住まいです。外の介護事業者と連携して提供する形のホームもある。入居一時金は、入居から 3 か月以内の退居なら実費を除いて全額が戻る、と法律で決まっています。 サ高住は高齢者住まい法の住宅で、付くのは安否確認と生活相談。介護サービスが同じ建物で受けられるかは、住宅ごとに違うので確かめてください。

有料老人ホーム・サ高住の相談 39 件では、いちばん多いのが「体調や病気、薬のこと」でした。種類を選んだあとは、医療との付き合い方が次の問いになります。種類ごとの並びは有料老人ホーム・サ高住の話題、特養の話題、老健の話題に置いています。

今は探さなくてよい人へ。ケアマネ・包括の相談 211 件が示すこと

要支援の人や、要介護 1・2 で特例の事情に当たらない人は、特養も老健もすぐには使えません。有料老人ホームやサ高住は候補になります。もう 1 つ、施設を探すより先に、家でのサービスを見直す道もある。これは遅れではありません。在宅を続けることも、同じ重さの選び方です。

当サイトの集計で、ケアマネと地域包括支援センターの相談は 211 件。いちばん多いのは「ケアマネや施設とのやりとり」でした。見直しの相談先は、担当のケアマネジャーか、地域包括支援センターです。状態が変わったなら、要介護認定の区分変更を申請できます。デイやショートステイを増やして、家族の負担を分ける方法もあります。 並びはケアマネと地域包括支援センターの話題に置きました。

よくある質問

要介護 1 や 2 でも特養に入れますか
原則は要介護 3 以上です。要介護 1・2 の人は、家で暮らすのが難しいやむを得ない事情があるときだけ、特例で入所できます。厚生労働省の通知は、認知症の症状で日常生活に支障が頻繁に出ている、家族の支援が期待できず地域のサービスも足りない、などの事情を考慮するよう求めています。判断の基準は市区町村の指針で決まるので、申し込む前に施設か市区町村に確かめてください。
老健にはずっといられますか
老健は、家に戻ることを目指す人を受け入れてリハビリを行う施設です。目的が在宅への復帰なので、住み続ける前提の施設とは考え方が違います。特養に入れるまで老健で待つ人もいて、いられる長さは施設によって違います。入所の前に、退所の見通しを聞いておくと慌てずに済みます。
有料老人ホームの入居一時金は、すぐ退居したら戻りますか
入居から 3 か月以内の退居なら、実費を除いて全額が戻ることが法律で決まっています。それを過ぎると戻る額が大きく減るホームがあるので、契約の前に、償却の年月数と解約時の計算式を見て、1 年後に退居したときの額を計算しておくと安心です。
食費や居住費を軽くする制度は、どの施設で使えますか
負担限度額認定(補足給付)は、所得や預貯金が一定以下の人の食費・居住費を軽くする制度です。厚生労働省の解説で負担限度額が示されているのは、特養・老健・介護医療院と、ショートステイです。有料老人ホーム・サ高住・グループホームは表にありません。認定は市区町村に申請します。
この件数はどこまで確かですか
補正後の値です。話題ごとに無作為で 30 件を抜き、「投稿者が自分の介護について、その話題を書いた相談か」を 1 件ずつ判定し、その割合で直しました。施設を探すかどうかの話題で当たっていた割合は約 50%、特養は約 65% です。判定は AI で 2 系統に分けて突き合わせ、一致した件だけを使いました。人の目では確かめていません。

出典・確認日