介護の分かれ道

老健の次の移り先 3 つ。特養の申し込み、有料老人ホーム、家に戻る道

公開 ・ 介護の分かれ道 編集部

老健の相談 60 件。上の 2 つは「施設を探すかどうか」の相談と同じ並び
老健(介護老人保健施設) 60 件
  1. 1. 施設の種類と、どこを選ぶか
  2. 2. 家族やきょうだいとの分担
施設を探すかどうか 70 件
  1. 1. 施設の種類と、どこを選ぶか
  2. 2. 家族やきょうだいとの分担
  3. 3. 介護する側の疲れと、後ろめたさ
  4. 3. 費用やお金のこと
  5. 5. 家での介護を続けられるか

件数は補正後(無作為に 30 件を抜いて判定した当たりの割合で直した値)。並びは順位だけで、差の大きさは示していません。同じ件数のものは同じ番号にしています。 老健は相談の数が少なく、多く聞かれている順を出せるのは上位 2 つまでです。数え方はこのサイトの数え方。

この記事は、親が老健(介護老人保健施設)にいて、次にどこへ移るかを考え始めた家族に向けたものです。先に結論を書きます。移り先は大きく 3 つ。特養(特別養護老人ホーム)への申し込み、有料老人ホームやサ高住、そして家に戻る道です。どれを選ぶにしても、今の老健で「平均の入所日数」と「退所した人の行き先」を聞くと、見通しが立ちます。数字は、当サイトが 188 日分の家族の介護相談を数えたものと、厚生労働省の資料。2026 年 9 月時点の内容で、出典は記事の末尾に置きました。

老健の相談 60 件で、いちばん多いのは施設の種類と選び方

当サイトの集計で、老健の相談は 60 件でした。いちばん多いのは「施設の種類と、どこを選ぶか」、2 番目は「家族やきょうだいとの分担」です。 施設を探すかどうかの相談 70 件でも、上の 2 つは同じ並びでした。

どの施設にするかと、それを家族の中でどう決めるか。老健にいる家族が聞いているのは、この 2 つです。この件数には、老健に入る前の相談も、出たあとの移り先の相談も入ります。分けてはいません。 2 番目にきょうだいとの分担が来るのは、移り先が本人ひとりでなく家族の中で決めることになるからだと、当サイトは考えています(投稿を読み直して確かめてはいません)。並びは老健の話題に置きました。

老健は家に戻るための施設。いられる長さは施設ごとに公表されている

厚生労働省の解説では、老健は、病状が安定して病院を退院した人などが家での生活に戻れるよう、医師の医学的な管理のもとでリハビリを重点的に行う施設です。要支援 1・2 の人は使えません。 目的は「戻ること」。

公表システムには、施設ごとの平均の入所日数と、退所した人がどこへ移ったか(家・介護保険施設・医療機関など)が載っています。 介護サービス情報公表システムの「読み解き方」は、見方の例として A・B 2 つの老健を並べていて、平均の入所日数は 79.3 日と 288 日でした。全国の統計ではなく、見比べ方の例。何か月で出る、と一律に考えないでください。今の老健の数字は、公表システムで確かめられます。

同じ解説は、特養に入所できるまで老健で待っている人がいること、リハビリで家に戻れる状態になっても、介護する家族の高齢化などで戻れない人がいることも書いています。老健で最期を迎える人や、ショートステイを使いながらいくつかの老健を移る人もいる。 道は 1 本ではありません。

次の移り先を考える問い 5 項目

答えを書き出しておくと、老健の職員やケアマネジャーと話すときにそのまま使えます。数え方と、この方法で分かっていないことはこのサイトの数え方に書きました。

1. 今の老健で、退所の見通しをどう聞いているか

最初に聞くことです。平均の入所日数、退所した人の行き先、退所したあとに職員が家を訪ねて指導する取り組み(退所後訪問指導)があるか。 この 3 つは公表システムでも見られます。いつごろ退所の話になりそうかは、今の老健に直接聞いてください。

2. 要介護度はいくつか

特養は、2015 年 4 月から新しく入所できるのが原則として要介護 3 以上になりました。要介護 1・2 の人は、家で暮らすのが難しいやむを得ない事情があるときだけの特例です。 厚生労働省の通知は、認知症の症状で日常生活に支障が頻繁に出ている、家族の支援が期待できず地域のサービスも足りない、などの事情を挙げています。要介護 1・2 なら、特養は特例に当たるかを先に確かめる施設です。

3. 家で介護する人の手は足りるか

家族の状況は、2 つの道の両方に関わります。家に戻るかどうかを決めるとき。そして、特養が入所の必要性を考えるときです。 通知は、ひとり暮らしかどうか、同居の家族が高齢や病気かどうかを考える事情に挙げています。誰が、週に何回、何を担えるかを書き出すと、話がかみ合います。

4. 医療やリハビリがどのくらい要るか

老健には医師がいて、リハビリの職員もいます。移った先で同じ手当てが続くとは限りません。介護付き有料老人ホームなら、看護職員が何人いるかも公表されています。 薬や通院のことは、老健の医師か主治医に、移り先で何が続けば足りるかを聞いておきます。

5. 食費と居住費の軽減を使いたいか

所得や預貯金が一定以下の人は、負担限度額認定を受けると食費と居住費が軽くなります。厚生労働省の解説で負担限度額が示されているのは、特養・老健・介護医療院と、ショートステイ。 有料老人ホームとサ高住は表にありません。年金の範囲で考えたいなら、ここで移り先が変わります。仕組みは介護施設の費用の仕組みに書きました。

答えで、先に考える移り先が変わる

答え先に考える移り先
要介護 3 以上で、住み続ける場所を探す特養に申し込む。決まるまでの過ごし方を今の老健と相談し、有料老人ホームも並べて見る
要介護 1・2特養は特例の事情に当たるかを施設か市区町村に確かめる。並行して有料老人ホーム・サ高住
リハビリで家の生活に戻れそうで、家族の手もある家に戻る。デイケア・訪問リハ・ショートステイの組み方をケアマネジャーと決める
家族の手が足りず、家に戻るのが難しい特養(家族の状況は入所の必要性を考える事情に入る)と、有料老人ホーム・サ高住
食費・居住費の軽減を使いたい特養。有料老人ホームとサ高住は負担限度額の表にない

特養・有料老人ホーム・サ高住・家に戻る道の違い

使える人どう決まるか食費・居住費の軽減
特養原則要介護 3 以上(1・2 は特例)施設の委員会が、入所の必要性の高さで決める表にある
介護付き有料老人ホームホームごとに決めるホームとの契約表にない
サ高住住宅ごとに決める住宅との契約表にない
家に戻る要介護の認定を受けた人ケアマネジャーとケアプランを作るショートステイは表にある

施設の種類ごとの違いは特養・老健・有料老人ホーム・サ高住の違いに詳しく書きました。この記事では、老健から移るときに効くところだけを並べています。

特養の申し込み。特養の相談 90 件で、使える条件と家族の分担が同じ件数で 2 番目

特養の相談は 90 件で、「使える条件と、要介護度のこと」と「家族やきょうだいとの分担」が同じ件数で 2 番目に並びました。申し込めるかどうかと、家族でどう分けるか。老健の家族と同じところで迷っています。

入所の決まり方は、厚生労働省の通知(2023 年 4 月の介護保険最新情報 Vol.1141)に書かれています。特養は、入所の必要性が高い人を優先して入所させるよう努めることになっています。 考える事情は、要介護度、家族の状況、家でのサービスの使い方など。入所を決めるのは、施設長や生活相談員・介護職員・看護職員などでつくる委員会の話し合いです。順番だけでは決まらない。

具体的な基準は、自治体と関係団体が共同でつくることが勧められている指針で決まり、地域によって中身が違うことがあります。指針は公表され、施設は申し込む人に中身を説明することになっている。 申し込むときは、指針を見せてもらい、今老健にいることや、家族の状況がどう扱われるかを聞いてください。要介護 1・2 の人が特例の事情に当たると申し出たときは、施設は申し込みを受け付けないという扱いをしてはいけない、とも書かれています。並びは特養の話題に置きました。

有料老人ホームとサ高住。相談 39 件で、体調とケアマネや施設とのやりとりが同じ件数でいちばん多い

有料老人ホーム・サ高住の相談 39 件では、「体調や病気、薬のこと」と「ケアマネや施設とのやりとり」が同じ件数でいちばん多く並びました。「使える条件と、要介護度のこと」も、ほぼ同じ件数で続きます。 医師のいる老健から移ると、医療との付き合い方が変わります。家族が気にするのもそこ。

介護付き有料老人ホームは、指定を受けたホームが食事や入浴などの支援まで行う住まいです。サ高住は高齢者住まい法の住宅で、付くのは安否確認と生活相談。介護を同じ建物で受けられるかは住宅によって違うので、申し込む前に確かめてください。 公表システムの「読み解き方」は、契約の前に、これまで退居した人の理由を尋ねることを勧めています。介護が要るようになったとき、同じ部屋で受けるのか、別の部屋や建物に移るのかも、公表の項目です。 有料老人ホームの入居一時金は、入居から 3 か月以内の退居なら実費を除いて全額が戻る、と法律で決まっています。並びは有料老人ホーム・サ高住の話題に置きました。

今は施設を探さなくてよい人へ。家に戻る道と、ショートの 30 日

家に戻ることは、老健の目的そのものです。遅れではありません。施設を探すかどうかの相談でも、「家での介護を続けられるか」は 5 番目で、前後の順位とほぼ同じ件数です。 家に戻る道も、施設に移る道も、同じ重さの選び方です。

戻ったあとも、リハビリは介護保険のサービスで続けられます。老健や病院・診療所に通うデイケア(通所リハビリテーション)と、理学療法士や作業療法士などが家に来る訪問リハビリテーションです。 老健・医療機関・介護医療院には、短い期間泊まるショートステイ(短期入所療養介護)もあります。目的に家族の介護の負担を軽くすることが入っていて、続けて使えるのは 30 日まで。 今の老健がデイケアやショートをやっているかは、施設に聞いてください。

組み方を決めるのは、担当のケアマネジャーです。ケアプランの作成に利用者負担はありません。退所の前に、老健の職員と家での担当のケアマネジャーが話す機会をつくれるか、聞いておいてください。 家で続けるときの相談先は在宅介護を続けるか迷ったら、ケアマネと地域包括支援センターに聞くことにまとめました。

よくある質問

老健は 3 か月で出なければいけませんか
当サイトが確かめた厚生労働省の解説には、何か月で退所するという一律の日数は書かれていません。公表システムの「読み解き方」は、見方の例として A・B 2 つの老健を並べていて、平均の入所日数は 79.3 日と 288 日でした。全国の統計ではなく、見比べ方の例です。平均の入所日数は施設ごとに公表されているので、今の老健の数字を確かめ、いつごろ退所の話になるかも今の老健に聞いてください。
老健にいながら特養に申し込めますか
厚生労働省の解説には、特養に入所できるまで老健で待っている人がいると書かれています。申し込みの書類や手順は施設と市区町村で違うので、申し込む特養か、お住まいの市区町村に確かめてください。今の老健の職員やケアマネジャーにも、申し込みたいことを伝えておいてください。
特養は申し込んだ順に入所が決まりますか
順番だけでは決まりません。厚生労働省の通知は、特養に、入所の必要性が高い人を優先して入所させるよう努めることを求めています。そのとき考える事情に、要介護度と、ひとり暮らしか・同居の家族が高齢や病気か、といった家族の状況が挙がっています。決めるのは施設に置かれた委員会の話し合いです。具体的な基準は、自治体と関係団体が共同でつくることが勧められている指針で決まり、地域によって中身が違うことがあります。施設は申し込む人に指針を説明することになっています。
家に戻ったあとも、リハビリは続けられますか
介護保険のサービスで続ける道があります。老健や病院・診療所に通うデイケア(通所リハビリテーション)と、理学療法士などが家に来る訪問リハビリテーションです。どれをどのくらい使うかは、担当のケアマネジャーとケアプランで決めます。
この件数はどこまで確かですか
補正後の値です。話題ごとに無作為で 30 件を抜き、「投稿者が自分の介護について、その話題を書いた相談か」を 1 件ずつ判定し、その割合で直しました。老健の話題で当たっていた割合は約 65% です。判定は AI で 2 系統に分けて突き合わせ、一致した件だけを使いました。人の目では確かめていません。

出典・確認日